「人が心豊かに生きる都市とは?──『オープンスペースから都市を創る』で学んだ3つの視点」

将来

こんにちは、はじめまして。
地方国立大で理系分野を学んでいる大学3年生こーです。

今回は自分の夢を具体化するために読んだ本について紹介します。

はじめに

将来、「当たり前を支えられる人間になりたい」。
そんな思いから、都市や環境のあり方に興味を持つようになりました。中でも、人が日々を過ごす“環境”は、心の豊かさに深く関わっているのではないかと感じています。

今回紹介するマルモ出版の『オープンスペースから都市を創る』(林まゆみ編著)は、コロナ後の世界で注目される「公共空間」や「オープンスペース」が、どのように都市と人の関係を変えうるのかを示してくれる一冊でした。


本の概要

この本では、ニューヨーク、ソウル、淡路島、メルボルンなど、世界中の先進事例が紹介されており、それぞれの都市でオープンスペースがどのように活用され、人々の暮らしに寄与しているかが具体的に示されています。

パンデミックを経た今だからこそ、「都市の空間はどうあるべきか」「公園や緑地の役割とは何か」を改めて考えさせられる内容です。


印象に残った3つの学び

1. 環境だけでは足りない──コミュニティこそが心を豊かにする

本書を通して特に印象的だったのは、コミュニティの力です。
私はこれまで「自然がある環境が人を癒やす」と思ってきましたが、それだけでは不十分でした。環境の中で人と人との関係が生まれ、つながりが育つことこそが、真の豊かさをもたらすのだと気づきました。

また、コミュニティが活性化している場所は、コロナのような予測不能な事態に対しても、しなやかに耐えうる「人の力」を持っているように感じました。


2. 自然と暮らしの距離が変わった──新しい生き方への転換期

コロナ禍を経験して、「自然に触れること」がこんなにもありがたいものだったんだと実感しました。公園で過ごす時間、緑に癒されるひととき、当たり前と思っていたことが、生活の支えになっていた。この本を読みながら、今の時代は“場所にとらわれない生き方”が可能になったからこそ、どこにいても自然の力を感じられる空間設計が必要なんじゃないかと感じました。将来、そんな空間を自分の手でつくりたいと思っています。


3. 均一化された都市に“個性”を取り戻す

現代の都市は、機能性を重視するあまり、どこも似たような風景になってきています。緑地や公園でさえも、似たデザイン・似た植栽が並び、驚きや発見が少ないと感じることがあります。私はベトナムに旅行した際、現地の公園で大きな植物や珍しい遊具、ダイナミックな噴水を見て、強く心が動かされました。この経験を通じて、人間の心を動かすのは“非日常”や“意外性”、そしてその土地らしさ=アイデンティティのある空間なのかもしれないと気づきました。都市の計画においても、均一ではなく“多様性”や“驚き”をデザインすることが求められているのだと思います。


読み終えて変わった視点

今まで私が思い描いていた都市計画や空間設計は、どこか「ハードを整えれば終わり」という考えに偏っていたように思います。
でも本当の空間づくりとは、「整備した後」にこそ本番がある。そこに人の流れが生まれ、関係が育ち、日々の営みが紡がれていくことこそが、都市に命を吹き込むことだと、この本は教えてくれました。

コロナという大きな転換点を経た今、時代に合ったインフラをどう創り出すか。
そのためのヒントが、この本には詰まっています。


こんな人におすすめ!

この本は、こんな想いや関心を持つ方に特に響くのではないかと思います

・公共空間やまちづくりに関心がある学生
・ポストコロナの都市と人の関係に関心がある人
・グリーンインフラや都市の個性化に興味がある人
・将来、都市設計・空間づくりに関わりたいと考えている人


おわりに

人の心に豊かさをもたらす都市や空間とは、ただ美しく整っていることではなく、人の営みとつながりを支える“舞台”であること

そんな視点を得られたことは、私にとって大きな財産になりました。
これからも、都市や自然を「人の視点」から見つめ直していきたいと思います。

参考書籍:

📘 『オープンスペースから都市を創る』林まゆみ・編著(マルモ出版)

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